空のかたち/ベンジャミン
ひとつひとつ
家の窓にあかりがともりはじめて
空がかたちをなくしてしまうと
淋しさみたいな感情が
行き場を探す
そんなときは目を閉じて
くっきりと晴れた日の
空を思い出すんだ
地平線や水平線や山の木々や漂う雲や
視界を隔てようとする世界の隅っこで
それでも
なにもかもをやさしく包みこむ
あの空にむかって小さくスキップする
少しでも近づけたなら
自分という存在を雲のように浮かべてみよう
木々みたいに広げたこころを
曖昧な空のかたちの中へ
明日を描くように
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