天辺風景/松本 卓也
 
目を塞いでいれば平穏のまま生きて居られたろう
知ろうと思うことは幸福であろうはずが無い
ただただ積み重なった回答へのヒントこそが
無常無意味無駄無道
薄ら笑いを浮かべつつ
知らぬは本人ばかりなり

かつて遠く聞きかじった声と
重なった意味を辿る捨てたもの共の答え
まさか誰も気づいていないとでも思っているなら
あまりにも哀れで滑稽な肉製の人形じゃないか

排気音と道先留まった時間
屋上で秒分を指折り数えると
真実味を増した欲求を膨らましなさいな

まさか誰にもばれずにいると思ってるの
君ら二人に問いかけてみたいもんだ
年月を重ねた互いを捨てながら
共有したと思い込む苦悩を重ねている内に
芽生えたものをアイと呼びたいことくらい
木偶人形にさえお見通しだってのに

何個重ねた?
いくつ積み上げた?
傷跡と屍骸の上
同情と共感に裏付けられた
馴れ合いの真実の先
幸福を願いあえばいいさ
桃色が黒も白も覆い隠せるのなら
戻る   Point(1)