過不足のない憂鬱/真島正人
 
お前の体が長く伸びる
影が増したのかと思うが
少し違った

のど元から
違う声が漏れる
口から漏れる声と
交互にささやく

お前が伸びて
私の肌を刺すときに
私は内面からもえぐられている

私は
くぼみに落ちた瓦礫と
友人になろうと
努力をしている

私は
丘の上から
大砲を
打ち続けている

私は
抑圧をされ
程よく絞られた
数滴のジュースだ
汁物だから
摂取しやすいし
健康にも
そこそこいいかもしれない

くぼみのように黒くなった部分に
群がっている
過不足のないレシピ
愛情を充足させる
手本

手形の要らない、

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