ライン/瀬崎 虎彦
八月が爆ぜて夏が広がり
テトラポットの向こう側で
海と空が入り混じるのを
優柔不断がこうして感じている
グレープフルーツの清々しい香り
水飴を練るように濡れていく心
睫毛を伏せて呼吸を止めると
地球が自転していることがよく分かる
ことどもはみな一様に過ぎ行く
一言多い闖入者に過ぎなかった
ただ花の匂いだけが牧場を走った
すすきの葉で指を切らぬように気をつけながら
草むらを分けて進んでいくかつて子供だったもの
夏は純度の高い飛行機雲のラインを越えていく
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