ブリングル御田詩集『次 曲がります』/渡 ひろこ
 
凝縮された思いが風船のように膨張して、弾けた飛沫が言葉になった。
そんな鮮烈なイメージが浮かんだ。それほど思わぬ角度から言葉が繰り出してくる。
凡庸に収まらない突き抜けた斬新さが、この詩集の魅力だ。

看護婦が差し出すその空豆のような形の皿に/わたしの中からカキダされたものが砂粒のように積もっていく。//
【ヘンジャギ】『家に火をつけた』/?よるを?/(小4の秋)【ハンジャギ】《しゅぼんぬ》(「迷子」)

次はどのような展開になるか、引き込まれていく言葉のマジックに
読み手はつい謎解きをしたくなってしまうだろう。
思い切りの良さが小気味いい。勿論、言葉のラビリンスを廻るようなフラ
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