街並み/黒木みーあ
 
いく
パステルカラーの季節の色には
つい目を、細めてしまう

隣で
あなたがちいさく笑った
だからわたしも
笑ってみた



  静止


手を繋いだ
はじめての言葉で
わたしたちはまだ
無垢でいられた

陽が赤く 赤く
なれば今日も
落ちていく
群青色の
空の表皮

鉄塔の骨組みに
散らされた
光が細く
影絵の街に
広がっていく

わたしと
あなた
振り返れば
失くした言葉に
共に一瞬を
見つめていた

遠い、向こう側
膨れ上がった太陽が
名を変えて
山の後ろで
静止している




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