探索/葉leaf
 


いくつもの水際が交わる地点で、杉の木立が絶え間なく引用されては要約されている。切られた影をつぎはぎしてできた窓が幾重にも重なっては蒸発している。部屋の表情から捧げられた視力を集め忘れる。私は年齢を二倍にし、眼で音を聴き、輪郭をばらばら落として周囲に混ざってゆく。私の嗅げない世界の尾根沿いに、私の輪郭が林立する。



思い出と思い出のわずかな隙間にもうひとつ思い出を詰め込む。洗い立ての歴史の内壁には赤い空の粉末がまぶされている。六月の建物は七月の建物になる前に一瞬だけ九月の建物になる。一秒を分割すると六十分になり、一分を分割すると六十時間になる。散乱した未来を核にして過去は生い
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