歌と踊り/渡邉建志
 



歌と踊り7




カーテンのないわたしの部屋
やさしいかぜが はしっていく
寝ころんでいる わたしの上を
春よ春よと 歌っているか

かぜよ とおくまで
そのあかいリボンを
わたしから 「きみ」 に
とどけてくれ


踊り

迎えに来た、昔からの小人たち
むかしみたいに踊ろうよ
朝も昼も夜も
ギターかき鳴らし
鐘を打ち振って

ぼくは「きみ」を待って育った
「きみ」はいま空の向こうに消えてし
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