宇宙空間、眠る庭園 (部分)/ヨルノテガム
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清流の待ち合いに幾重もの波状揺れて
なだらかな境界は 水映えの記憶
黙念とした水の浄土、晴れ渡る透明の乱反射
H2Oの棲み家 笑って消え去る
変容が停止と同じに変容していき様子は滞る
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清流の黙々とした待ち合いの浅瀬に
幾重もの振動の装飾をまとい 水面は
さめざめと 水深、いかばかりか膝下に
冷泉は伸び ひと足ごとに川砂を舞い踏み
記憶は奥底へと洗われる
絶えず水力は流れゆき
淡い乱反射の光の重みに揺れ惑う
どこかに水音を囲みくぐらせ
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適度に揺れ 適度に溢れ 清流の旅路
ひと息つき目を閉じれば
観念の庵へと佇む
変容する水面に浮き惑い
静止する瞬時を心に灯す
恋しいのは人なのだろうか いやいや
生きものが生きものの不思議に感じ入っている
銀河を掻き回した手の動きは
川面に触れた手の動き
何億年何万年の泳ぎに出会う
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清流の待ち合いに
幾重もの波状は揺れて
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