退社/
番田
自分自身の消された言葉を携え
意味のなくなった私は 飲んだくれた 家路を戻る
風の無い いつかの路地裏を立ちつくしたまま
人気のなくなった カウンターの上で 一人うつむいていた
今夜もアメ横の中を 永久に流れる
アメ横の向こうには 夢の王宮があるというのは 雑誌のコラム
人と人とが理解しあえることを 祈って 眠る
自分の言葉を隠した 私は ベンチに横たわるほかない
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