ココロノヒカリ/吉岡ペペロ
 
オジサンは体力が回復したわたしを海に連れだした
そして板を抱えたまま大きな波のなかに入っていった
この前の戦闘の残骸が漂っていて危ないからという理由でわたしは砂のうえに立ってそれを見つめていた

太い風がわたしを震わせていた
寒かったのではない
ここはハワイ諸島の島なのだから寒いはずはない
太陽にローストされた渇いた風が間断なくわたしを叩いていた

オジサンは大きな波に追われるようにして両手を海にかきいれ板のうえに立って波に飲まれたかと思うと管のなかからカッコイイ姿かたちで現れた
打ち上げられてはまた沖に出ることを繰り返しオジサンはわたしに何か訴えかけるようにそのサーフィンとやらに興じていた





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