ルームシェア/朧月
つばめは
どしゃぶりの中を飛んでいった
ヒナにエサを与えた後で飛んでいった
雨の中でもとりが飛ぶことを
知った ぼんやりした頭で
ひっそりしている巣の中に
命があることを想う
静かにしていても音をたてても
もう
つばめ一家は動じることがない
なぜか家人が挙動不審に
その家をうかがうように通らせてもらっている
命を育む
それだけで だれしも手出しできない
はやく飛んでいっておくれよと
言いながら 窓辺に立つ
その姿はなにを想うのだろう
私 以外の家族は
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