致死率100パーセント/瀬崎 虎彦
木曜日に撃ちぬくセルフ・ポートレイトは
湿った黒鍵の匂いがする
不実な恋人と傘をさして歩きながら
意味のある表情を見出せないでいる
熱くて甘いドロドロに溶かしたチョコレートで
未来が包まれているのならそれは闇のようだ
可愛げのない女と頼りがいのない男が
ゆっくりとともに歩んでいくという協定を結んでいる
致死率100パーセントの悪夢を
日常の苦楽を楽しみながらなんとかやり過ごす
不完全な球体のもっとも不完全な部分がここにいて
接続されては切断されていく関係の網を修復する
自転の向きは変わらないが地球最後の日
世界が好転する兆しはない せめて笑顔で過ごそう
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