五月にさまよう/まどろむ海月
 






 けだるい砂を踏みながら
 細いウエストに
 手を伸ばせば
 傾けられた
 髪の匂ひ


 そんなとき
 少年の日の
 草原を
 駆けた思い出さえ
 錯誤され
 君と二人だった
 気がして








面影に誘われ

彷徨う日

五月の潮風に独り

わが身を抱きしめ

このまま透明になれるならと

切に 思うのです












戻る   Point(3)