黄金橋/天野茂典
る
カモメなのだ
海猫ではない
飛んでいるのだ
地上から数センチ舞っているのだ
さらにたかく飛ぶために
ゆれているのだ
不安定な位地
もちあがってしまったからだ
ささえてくれるあなたがほしい
しっかりと錨をつけて
ぼくを固定してほしいのだ
甘えられるあなたが抱くケーキがほしい
ゆれている
ゆれている
ぼくのからだが戻れないのだ
不確定な猿
反発する地層の電位
マントル層の赤い衝撃
大陸間の土の劇場
ゴンドアナ大陸からひび割れて
いまの六大陸ができたのだ
でもぼくの地震はひとりの秘密
VAIOがはげしくゆれている
ゆれているのはじつはぼくの海なのだった!
ゆれているのはじつはぼくの脳なのだった!
ゆれているのはじつはぼくの羽なのだった!
ゆれているのはじつはぼくの水なのだった!
2004・10・8
戻る 編 削 Point(1)