思いの隅で/番田 
 
、思いはとりとめもなくぼんやり吹き続けられていた。壁紙に、色を感じさせられた壁の上に、メルカトル図法の世界地図をイメージする、目となった私の世界はとてつもなく広くなっていくようにも思わされていた。

私は、この先展望はあるのだろうか。全く思い浮かべることのできない未来についてを考える。苦悩と絶望の時代に明るさを見いだすことはできるのだろうか。すべて、私には徒労のようにも思われた。そうして、逃げ道を探した。回答などひとつも無い問題の中で悩んでいる。吐息のようなものだけは感じとれるが、私の願望のひとつもそこには見いだすことはできない。
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