エビの瞳/
番田
釣り竿を捨てた
そうして 無くなったイソメを
堤防の上の私は見つめ続けることだろう
私の日記の 永遠に開かれることのない
ビルの下に 立つだろう
遠い日の夜を嘆かされ続けた
まきえさの粉塵でくしゃみを繰り返す
殻をはぎ取られ 死んでいるエビも
ぼんやりと オフィスを 見つめていた
インスタントラーメンのスープを全部たれ流した
人々を見つめる 堤防で
夢から逃げた私がいた
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