言葉で繋ぐ手/朧月
私は私の言葉を
細く細く出し続ける
水の中で吐く呼吸のように
みえない泡になってゆく
はじけたとき
はじけぬまま
あなたはなにかを感じるでしょう
たとえ
目をそらされたとしても
なにもかえってこなくても
この泡をつくることをやめられるはずもない
言葉は私の生きてる印
大騒ぎする
うれしかったと 悲しかったと
そのとき あなたは
とりあえずでもいい 振り向いて
夢見る ときにも忘れないでいる
眠りの中でさえ
私たちは言葉で つながろうとこの手を
前へ 前へ 差し出している
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