失墜/蒲生万寿
 
カゴの中の鳥が

可哀想だとは限らない

そこで満足するものも居るのだから

そこから見える空がどこまでも続く

そんな事実を知らずとも

力いっぱい羽ばたき飛ばずとも

その場所が全てだと思えるならば

案外楽しく過ごせるだろう

空に向かい囀(さえず)れども

最早届かない

それでもいいと思える日常に

その羽はもう必要ないだろう

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