ブロックされたもの/森の猫
 

カウンセラーのドクターとは
相性がよさそうだったから


あれから6年

あたしは
あたしらしさを
取り戻してきた

怖いものはない
うまい 逃げ方も学んだ

うまく眠れないほかは
一応 一見普通のひとだ
まだ いつくかの薬を飲んでいるが


だが
あの ブロックされた
忌まわしい言葉は
出てこない

脳が拒否しているのだ
身体を守っている

欝がよくなっても
この先 思い出さないかもしれない

しあわせだった
昔のことは
ときどき 思いだすのに

ブロックされたもの
それは
あたしの 黒い闇の部分

あたしを解放へと
向かわせる
原動力だ
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