ブロックされたもの/森の猫
 
別れることを真剣に
考えたのは6年前

もう 関係は10年以上
冷え切っている

欝をわずらって
捨てられたあたしは
それでも
わずかな希望を見出していた

SOSは何度も出した
話し合いも 試みた

でも そのたびに
”ふん”
の ひとことで片付けられた

あの 決定的な言葉は
あたしの脳の中で
ブロックされて
未だ 出てきてはいない

それから
週末が近づくと
吐くようになった

子どもをはさんだ
同室では
帰ってくる気配がすると
電気を消した

横を向き
背中が痛くなるほど
身体を硬くしなければ
眠りにつけなかった


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