後悔の夕べ/朧月
 
つかみそこねた指先が
泣いているような
夕暮れ
また
ひとりぼっちの私の
すぐそばを
通りすぎる風
私を遠くへ運んでおくれ

飛び出しそうな心臓の
音にも似ている鳥の
声をきいてふるえている
あなたが起きたら泣くの
今日の始終がすまなかったと

なあんにもできはしない私の胸に
すがるとおもうあなたの体温を
恐れるように遠くから感じて
目が開かぬことを祈る恐ろしげな想いは

打ち破られよと空に放り投げる 
あなたのどんな声でもききたい

おきて
おきて
おきて
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