眠り/蒲生万寿
 
一筋の細い光が降り出した

ゆっくりと途中途中

途切れつつ降りて行く

又、別の光が降り出した

一筋、二筋

光は紐のようにも思え

垂れ下がっているようにも見え

上から下へ降りるのか

右から左へ流れるのか

(方向がある訳では無く)

上下左右でも無く

循環しているのか

筋の数は増えて行く

明るさは変わらず

暗くもなく

蝶の舞うように

トンビの周るように

誘い出す色、白く黄色く

夕陽に縁どられた

山々の色のように

淡い綿の流れに

ゆるゆると私も付いて行く

何処に行こうか

静かに降り立つ事もなく

こうして満ち渡って行く

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