チーズケーキ/かんな
しまう
お姫さまだっこの距離についていつだかあなたは語っていた
愛撫がわたしの身体を撫で回す行為だというのなら
きっとわたしの内には愛があるんだろう
体を幾度も重ねればきっとお互いの味がわかる
舌でなめあう肌の感触は汗で少ししょっぱい
コンビニエンスで愛を持ち合わせる行為は出来やしないから
生まれ落ちてからのすべての日付をめくって
あなたの存在ごと抱きしめてしまおう
しめつけるわたしの中をあなたがつらぬいて
必死に背中に爪を立てる癖を身体ごと覚えている
余韻に浸りながら語ることはなくて
ふたりでチーズケーキを食べながら
あなたの入れたブラックのコーヒーをすする
ふたりってことばは繋がらないと使えないかもしれないね
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