書物の家/ベンジャミン
 
{引用=何本かの鉛筆と
何本かのペンと
何冊かのノートや
散らかった書籍が在って
散らかった書きかけの物語のような
続き話が転がっているところに
書きたての新鮮な言葉が
跳ね回っているのです
当然ながら
あれこれ考えている自分と
すらすら書いているような錯覚と
無造作に完成した偶然が
ときどき私を喜ばせてくれますが
それは本当に稀なことなので
たいていがそのままの
ただの書物として
意味を欲しているところに
何と無力な私しかいないことが残念で
物書きならば物書きらしくありたいのは
もしかしたら私よりも書物のほうが
気持ちが強いのかもしれません
なのでいっそ
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