あるヤマトヌマエビの死/
冬野 凪
世をはかなんで白昼堂々と身投げした
愛しのヤマトヌマエビを弔う詩を書こうとしたが
焼き海苔買ってきてと妻からお使いを命じられて
ちょっとの間留守にしたら
ヤマトヌマエビの死体は片付けられていて
死体はまるで茹でたように赤かったと妻は言う
死体が腐乱していく様を見たかったのにと愚痴をこぼすと
あなた 一生ご飯抜きよっと仰せられた
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