無題 (連歌の付け句)春秋/かとう ゆか
ぎっくり腰
金魚の糞は 雲に置き去り
逢瀬まで たどり着けずに 夢は覚め
大樹倒れて 千年経った
皺くちゃの 手では空かない ビンの口
月も桜も 窓から愛でよう
連なりて 意思持つ海獣 殻破る
グウは腹ぺこ ハレがご馳走
雲隠れ まぶたの裏の 月の影
表へ出よう 空は落ちない
アガスティア 言葉潰えて 罪滅ぶ
夢が悪とは 疑いもせず
果てしなく 尽くし尽くされ 裸足の子
響き続ける 声のない音
空に聞く 文字のぬくもり 産声よ
勤勉な覇者 労働賛歌
めでたしの 世界へようこそ 愛でたし娘
思い出せない あの日の続き
月光を さえぎったのは 魔女の影
愛ならあるさ 月見をしよう
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