散文詩-彼方に寄せて/黒木みーあ
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冬になると、一枚板の壁の隙間からは風が、骨の芯に沁み入るようで、いつまで経っても、身体は温まることがない。だから足先から、這い上がる冷たい手の平にうなされる夜は、一向に眠る気配を見せず、外灯が、かがり火のように灯る窓枠の向こう側では、鳴り止まない風が、並行して木々の、骨身をも軋ませている。
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(( 朝には、硬直し過ぎた意識の半身だけが目を見開いて、わたしのことを動かしています。これがわたしのもつ動作であり、始まりでもあります。わたしの住む家の周りには、まるで城壁のように街を囲む山が、奥へ奥へと連なり、その山々の腹部からは、( 特に、今日のように凍えてしまい
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