モーニング・モーニング/吉田ぐんじょう
 

からだじゅうの隙間という隙間に
硝子の欠片を
ぎりぎりと押し込まれているような気がして
目が覚めた
いつの季節でも
朝の光は鋭く皮膚を切り裂いてくる
光が当たって切れてしまったところに
絆創膏を貼った
夜にきちんとカーテンを閉めることを
忘れがちなわたしは
いつだって
どこもかしこも絆創膏だらけだ

まばたきをすると
眼の中に入ってしまった
光のかけらがいくつか
かろかろと畳の上へ落ちた


窓を開けて空をながめる
注意して眼を凝らすと
朝の空の上のほうには
夜色をした
重たそうな幕が上がっているのが見える
きっと朝になったらあの幕を上げ

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