不成仏霊、今日も見果てぬ河岸を/ホロウ・シカエルボク
ブックが満杯になるまで
同じの木の絵でもずっと描き続けていればいいだろう
先の形を信じすぎるやつに訪れる結末は
得てしてそういうものだろう
俺はカーペットを剥いで
畳の上に経文を書きつけた
俺の血流にだけ確かに染み込む経文を
俺にはそれが出来る
俺は成仏を求めているから
死は成仏か
死はそれか?
その前に何かが変わるだろう
俺にはそんな気がする
最後の幕を下ろすときには
なにがしかの結論がたぶん必要だからだ
俺は畳を裏返した
そこには何も書かれなかったことになった
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