あやとりごっこ/空白さん
 




あなたという人の

縦糸は切れる頭
横糸は深い情が

幾ら派手な模様を描いても
いつも指にやわらかい

わたしの名前をまろやかに囁く
その声以上になにが甘いだろうと

うつろう闇の中思うから
静かに絡まる糸がもどかしい

触れることを躊躇うでもなく
直に押し付けるでもない

少女のようなこの始まり方に
わたしはどうしようもなく恋している

あなたの糸を形もなく乱したい
あやとりごっこは続くのだ





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