何と愛の無い世界/散布すべき薬物の所持2
 
勝手に生きればいい
しかし尊厳をけがしてはならない
人は苦しみ、苦しまれ、腐りゆき、絶望に涙する
(しかし人は悪魔という方向で落ち着いたようだ)
お前の呻き声は草むらの路上に悪魔の見下ろす体系である
悪夢の光景、悪夢を、悪魔を宿すのである
お前は吐きつける、首から腹にかけて大きく痙攣し
“来たるべき春”を吐瀉物によって洗浄するのである
胃袋が叫ぶ、下半身が切断される、
涙があふれ、絶望が世界を支配する、
背中は冷たく軽い草いきれ、脚部に蟲たちが生き蠢く感触、
私は敏感に殺す、憎悪に殺す、束縛苦の鬱積に殺す、殺す、殺す殺す
死ぬ、生殖の作用に死ぬ、人々は精神を忘れた、死ぬのみだ
不快感、血液、渇く事無き欲望、肉だるま、眼球ソープ、
肉欲と絶望と生活苦と理不尽と意味不明と精神崩壊で出来た街!
ああ、何と愛のない世界!
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