青木龍一郎が動物園にやってきた/青木龍一郎
 
僕の飼育権を勝ち取ったのは名実ともに日本一の動物園、上野動物園だった。
僕はすぐさま薄暗いトラックの中に入れられ、東京へと運搬された。
園内に着くと早速、僕は檻の中へ放り込まれた。
新しく造られた青木龍一郎の檻はとても綺麗で、外には青木龍一郎の生態を解説する看板も立てられていた。
ピカピカの鉄格子を両手で触りながら、僕は檻を隔てた向こう側にいる園長に話しかけた。

「こんなに綺麗な檻、用意してもらっちゃって本当にいいんですか」
「いいんだよ龍一郎君。我が園のスタッフたちは君の集客率に非常に期待している。このくらいの待遇が丁度良いさ」
「ありがとうございます。床のコンクリートも新しく
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