プラットホーム/草野春心
年毎年
ぼくは思う
ひとは
痛みのかたまりなのだと
傷ついた心でできた
よごれた幻にすぎないと
毎日毎日
ぼくは思う
ぼくはなぜ
自殺をしないのだろう
こんなにもみにくい心で
どうしてきみを愛せるのだろう
いま
ぼくは思う
選ぶことができるならば
ぼくの背を押すのは
きみであってほしいと
ひとはなぜ自殺をするのだろう
ぼくはなぜ生き残っているのだろう
五月の駅のプラットホームで
ぼくはきみに話しかけたい
心のなかの痛いところを
すべて
きみに見せたい
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