プラットホーム/草野春心
五月の駅のプラットホームで
ぼくは考える
ひとはなぜ
自殺をするのだろう?
去年の五月
止まりっぱなしの西武線を
ぼくは覚えている
それでバイトに遅刻したっけ
閉じ込められた乗客が
一様に渋い顔をしていた
駅員さんが駆け回って
いろんなことを処理していた
待つ人のぼんやりした群れの中に
ぼくもいた
その背を押したのはぼくかもしれない
五月の駅のプラットホームで
いくつかの電車を
やりすごした
ちょっと混みすぎていたから
毎年毎
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