JOY/ホロウ・シカエルボク
クリスタルガラスの煌めきの向こうで二五時の世界が崩れ落ちてゆく、お前はなにを見ていたんだい、手を伸ばせば届く距離でかすかにも触れられない何かが俺たちの間にはあった…水槽のエンゼルフィッシュは空気を求めて喘いでいた、チャコール・グレイに満ちた部屋の中で…コルトレーンが青い列車の中で狂気をロデオしている、俺は煙草の煙を吐き…それがどこへ逃げていこうとしているのだろうと考える、それはまるで意味のない生のように赤茶けた天井へと吸い込まれ…誰かがクスリで馬鹿やって反省しているってテレビでは喋っている、人の声があることは多少ありがたいと思う気もするが…だけど根本的に、俺は自分以外の人間を邪魔だ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)