穴ぼこだらけのレモン色/吉岡ペペロ
 
ユキオに乳房を噛まれるのをヨシミは歯で叩かれているように感じていた
部屋の窓からのぞく欠けた月を見つめていたらじぶんが死ぬとしたら地球でなんだと思った
そしてなんだか深い愛情をヨシミはじぶんのなかに見つけるのだった

カワバタはいまどうしているのだろう

いまじぶんがいる深い愛情のなかにカワバタにもユキオにも来てもらいたかった
ヨシミはつぶやいた

こうやって休みの日には会えるし、ひとりごとみたいにメールもできて、声も聞けるでしょ、あたしたち、地球で死ねるから、しあわせだよ、

カーテンが光を吸っていた
それが外灯なのか月の光なのか分からなかった
その蒼いレモン色の光を見
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