穴/
暗闇れもん
唇を噛み締めて
生臭い鉄の匂いがするあなたを
ついばむように
床の上で
スーツがしわになるのも気にしない
あげたネクタイがぐちゃぐちゃに
床で波打って
生き物のようにフローリングで
生臭い息をはく
しずくが波紋のように闇に広がる
月明かりだけの薄暗い穴で
ここだけは生きていると言える位
あつい息を何度もはいて
何度も
何回も
傷つけるためだけに
違う名前を呼ぶ
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