いちばんたいせつな/唐草フウ
ゆびでそっとふれる
ふかふかしたものが
やがてしぼんで
くたびれて横たわる
むなしさをむねにしまう
かなしさを昇華する
垂直にいきたものは
ささえあってこそでしょう
あなたの誕生日があった四月を
忙しさでふきとってしまっていた
つんでつんで集めた
庭のあたたかさを
水のなかに納めて
こらえ方も知れずゆれている
水のなかで弔って
引き上げて
それをまた垂直に
寝かせたまま それぞれを恋しくも思わず
次の色を広げるでしょう
この手で捨てはらう
わたしはわがままに、このとまり目に 伝える
どうか流してほしい 流れてほしい
そんなにたいせつなことではないから
同じように眠っている
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