こころ そらの/AB(なかほど)
 

約束は守るもので
親祖先は敬うもので
家族は守ってゆくもので
思いは
言葉になったり
ならなかったり
しながらも育つもので
一生は夢のようです
あなたの怖い顔や優しい顔
や悲しそうな顔の
そのまなざしの向こう

僕らの知らない
ひこうき雲の人もまだいるのでしょう




供養のために用いたお盆を
門の外まで片付けに行くときにふりかえると
無縁仏がよってくるからと
身体を固くしながら
お手伝いをしていたことがある
そう言うあなたは
たびたびふりかえって
おぼつかない僕らを見守っていた
ことにも気付かなかった




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