こころ そらの/AB(なかほど)
約束は守るもので
親祖先は敬うもので
家族は守ってゆくもので
思いは
言葉になったり
ならなかったり
しながらも育つもので
一生は夢のようです
あなたの怖い顔や優しい顔
や悲しそうな顔の
そのまなざしの向こう
に
僕らの知らない
ひこうき雲の人もまだいるのでしょう
供養のために用いたお盆を
門の外まで片付けに行くときにふりかえると
無縁仏がよってくるからと
身体を固くしながら
お手伝いをしていたことがある
そう言うあなたは
たびたびふりかえって
おぼつかない僕らを見守っていた
ことにも気付かなかった
戻る 編 削 Point(6)