小詩集【寄る辺なき歌】/千波 一也
 
ちの
番だから

残すべきは
残しておかないと、




四、推敲


愛したことは幸せでした
愛されたことこそ
幸せでした

響きの
はざまの
迷いの果てに
わたしはまたも
さまよいはじめる

あなたに会えて良かった
生まれてきたわたしで
良かった

きっと
どちらも正しいはずなのに
それは一途に
許されなくて
わたしは
雨に
泣いている

聞こえるともなく
聞かされる
雨に
からだを
ひらき通してみる



五、輪唱


もうすぐ
あなたの朝ですよ
って
きみが
あんまり
ふしだらだから

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