空を飛ぶペンギン/ベンジャミン
たり前だと感じているから
だからペンギンは水のなかをゆうゆうと泳ぎ
それを上からながめていることに疑問を持たない
じっとペンギンを見ていると
ときおり目を閉じて風を感じている
忘れてしまった何かを思い出そうとするときの
自分のすがたとかさなってしまう
からだのどこかが覚えている
別に不思議なことじゃない
そして僕も目を閉じて
閉じたまぶたのむこうにいるペンギンが
自由に空を飛んでいることも
そんな自由に憧れるのも
別に不思議なことじゃない
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