ときどき僕はまだ羊水の中で/
ベンジャミン
ときどき僕は、まだ羊水の中で
まるで眠っているような感覚の中で
確かに存在する自分自身を
少し離れた場所から感じるとき
ときどき僕は、まだ羊水の中で
何も知らないことに無邪気で
何も知らないことで世界が満ちていた頃
ようやく聞こえる
この鼓動のような希望を
ときどき僕は、
そんなやさしさに包まれながら
思い出すことができる
まだ羊水の中で
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