石川先生の思い出/板谷みきょう
 
教室の前に出た
教壇の横で
すごく恥ずかしくなって
モジモジした

長尾さんや
宮本くんや
大友くんも
みんな見ている
本当は歌を作ることが
できなかったんだ

どうしたの、板谷くん。
頑張って歌ってごらん。

石川先生が言った


○○くん 遊ぼーう
あーとで
どうしてさ
××くんと 遊んでる
みんなで 遊ぼう
なら いーいよ


思い付いたまんま
わらべ歌のような節で
小さく歌って席に戻った

そんなことも忘れ始めた学期末に
石川先生は
ガリ版刷りの学級通信に
みんなの歌を載せて
ひとりひとりに配った

みんなの歌を楽
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