レインコートと長柄の傘/敬語
は雨降りの日に限ったことではない。
晴れだろうが、曇りだろうが、同じ格好で出歩く。
だって、天気なんて信用ならないから。
よく山の天気は変わりやすいから信用ならないというが、僕からすれば山に限らずどこでもいつでも天気は信用ならない。
だから、雨がいつどこで降るかわからないのだから、僕はレインコートを着用し、長柄の傘を持ち、外に出る。これは当たり前の対策だ。
しかし近所の人々は「〇〇くんは雨が好きなんだね。待ち遠しくて、そんな格好をしてるんでしょ」なんて言う。
けれど、僕が雨を好きなんてことは有り得ない。
むしろ、嫌いだから着ているのだ。持ち歩いているのだ。
そこんとこをよく理解してもらいたいものだ。
それに、僕は機会があるなら一度は雲の上で雨を降らせているらしい神様をぶん殴ってやりたいとも思っている。
しかし、残念なことにその機会はなかなか訪れないらしい。
そこんとこをよく理解してもらいたいものだ。
だから僕は、雨が嫌いだ。
そして今日も、レインコートを着用し、長柄の傘を持って、出掛けていく。
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