隕石/天野茂典
やみが白んだ
きょうも夜明けの3時過ぎから起きている
もう2時間がたったのだ
トイレで小鳥のさえずりを耳にした
やがてはかれも空から堕ちるときがくるのだ
それまでのいのち
そのやわらかい羽毛でつつみかくしもっている
その一瞬
万有引力の法則だかなんだか
かるさがちいさなぬくもりなのだ
どこへ堕ちてゆくのだろう
誰もしらない
小鳥も人も地球のいきもの
人はまだこの惑星をとびだして
50年もたっていない
宇宙人はふたりの男
小鳥は成層圏をとびだしてはいない
地球のサイズは
人のもの
宇宙人にはつうじはしない
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