処暑過ぎ白露近付く/蒲生万寿
 
夏が散る

一つの夢が消えたように

色褪せたプラスティックが

いとも簡単に砕けるように

夕暮から

降り出した雨滴の一つ一つが

時の定めにより 

夏を包み込み

力を奪い去る

また夏が散り行く

百日紅の咲き乱れる頃

秋海棠が咲き出す頃

雲は厚みを無くし

天は今日も高く明るい

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