寂然の果てに帰す / **** '02/小野 一縷
 
蒼い凍土に 突き刺さる


血流は 黒い砂の 重い 軋み
硝子が罅入る 音 その硬度と 高度
眩しさ 眩み 細い 切傷は 銀
暗い 雪原を駆ける 地平線
海面から 吹き上がる 雪
止めどなく 遥か


焼け焦げた 空の穴は 夜が通る 針穴 
吸い込まれる 数々の 季節の 
見えない 拍子 節音 休符
深く 真直ぐ 真直ぐ 切れてゆく
温度の 色彩の 純度を
遡ってゆく この 視線は
季節の係数を 冷たく 静寂の奥に
解き解す 音 になる



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