ヒゲ/がん
。
しばらくしたら君がキッチンの方から現れる。2人きりにされて不安だった僕は少し安心する。
それからしばらく、3人でテレビを見たりしてのんびりと過ごす。何時間もすれば良い時間になる。君と男にとっては良い時間かもしれないけれど、僕にとっては悲しい時間だ。
君と男とがベッドに入り、一緒に眠るんだ。
僕は邪魔者扱いで部屋の外に出されるけれど、中から声がする。君が鳴いている声だ。
僕は、「助けなきゃ」と思うけれど、部屋には鍵がかかっている。
前に、同じようなことがあって、僕は男に噛みついてやったんだ。よくよく見てみると、男も君も裸だった。
なんとなく、気まずいように思ったけれど、それでも僕は君を守りたかったから、男に向かっていった。男も、僕のことを数回叩いてきた。
君は「やめて」といって僕のことを庇ってくれたけど、それから僕は部屋を出されて、部屋は鍵で閉じられた。
今日の夜も君の悲鳴で気が滅入るのかと思うけれど、僕にはどうしようもない。
部屋の外で「にゃあ」と泣く。
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