花の匂い/
松本 卓也
酒が飲みたくってさ
深夜、ふらりと出かけた途中
花の匂い
蜜の香り
足を止め思う
望んでいたこと
思考の末路
何の種類かは知らん
時折思い返した事がある
穏やかな自由への憧れ
音にするには陳腐
宵闇に浮かぶ結晶の成れの果て
暑苦しい春の夜に
何処へ連れて行くつもりか
聞いてみたくもなったけど
なにぶん、俺は今呑みたいんだ
そういうのは後にしてくれやしないか
戻る
編
削
Point
(2)